「羊をめぐる冒険」の翻訳(51)
2 二番めの鼠の手紙(4)(注:下面不是老鼠所写信的内容,是主人公对信的说明)
回送の付箋(ふせん)ののりを取ると、消印(けしいん)は読みとれなくなってしまった。封筒の中には十万円の銀行小切手と女の名前と住所を書いた紙とモノクロームの羊の写真は入っていた。
僕は家を出る時にその手紙を郵便受けから取り出し、会社の机の上でそれを読んだ。前回と同じ薄緑色のレター?ペーパーで、小切手の振り出しは札幌の銀行だった。とすれば鼠は北海道に渡ったのだろう。
雪崩に関する記述はもうひとつピンと来なかったが、鼠自身が書いているように全体としてはとても正直な手紙であるように思えた。それに誰も冗談で十万円の小切手を送ったりはしない。僕は机の引き出しを開けて、そこに封筒ごと全部を放り込んだおいた。
それは、妻との関係が崩れかけていたせいもあって、僕にとってはあまりぱっとしない春だった。彼女はもう四日も家に帰ってはいなかった。冷蔵庫の中では牛乳が嫌な匂いを放っていて、猫はいつも腹を減らしていた。洗面所の彼女の歯ブラシは化石みたいに乾いてひからびていた。そんな部屋にぼんやりとした春の光がふり注いでいた。太陽の光だけはいつも無料だ。
ひきのばされた袋小路――たぶん彼女の言うとおりなのだろう。
取掉粘在信封上的粘贴转寄纸签的浆糊,但看不到邮戳了。信封里装有十万圆的银行支票、写有女人名字和住所的纸条以及一张羊的黑白照片。
是我在出家门的时候从邮箱里面取出的信,在公司的办公桌上读的那封信。用的信纸是和上封信所用的浅绿色信纸相同,开出支票的是札幌银行。这样推断地话老鼠是去了北海道。
有关雪崩的记述并不那么流畅。他自己所写的东西都是很真实的信。而且谁也不会开玩笑地送来十万圆的支票。我打开抽屉,包括封信全部都放了进去。
和妻子的关系已经彻底崩墤了,因此对我来说并不是美丽的春天。她已经有四天没有回家了。冰箱中的牛奶已经放出恶心的异味,猫的肚子一直在变瘪。卫生间里她的牙刷干硬地就像化石。在那种房间里并不明亮的春光尽情地洒下来。只有太阳在不停地免费赠送着光线。
被拉长了的死胡同——大概就像她所说的那样吧。
主人公并没有完全理解老鼠所写的信,也不追问为什么要将羊的照片公布于众。但是他把羊的照片刊登到了杂志的封面上。