日本人にとって働くということは
日本人にとって働くということは、必ずしも利益を求めることが第一義的な目的ではなく、働くという行為そのものに価値を見出しているという説がある。評論家の山本七平によれば、日本人の勤労というのは、すなわち仏教で言う成仏するための修行であり、経済的利益は宗教的に動機づけられた。つまり、私欲のない労働の結果とされる。このような結果として得られる利潤は是認されると考えているというのである。現在の企業活動においても、この勤労に対する精神は生き続けており、それが、日本人が非常によく働くことの解答でもある。したがって、経済報酬は労働時間に対する対価であるという欧米的な勤労意識とは、その精神においてだいぶ異なることになる。この違いが、一方では契約社会に基づく企業経営を創り出し、一方では独特のいわゆる日本的経営を生み出したと言う。
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